酪農の仕事の概要について

多くの場合は朝と夕方の2回、搾乳や給餌、牛舎の掃除などの作業を行います。昼の時間は休憩時間となりますが、獣医師、削蹄師、家畜人工授精師や各種業者との打ち合わせがあったり、畑を持っている場合はデントコーンや牧草などを育てたり、たい肥を作る作業もあります。また、牛の出産のときは深夜であっても時間を問わず立ち会い作業をする必要があります。

生き物相手の仕事であるうえ、1日2回の搾乳作業があるため、休みのない仕事ですが、現在は酪農ヘルパーの制度も充実しており、定期的に休みを取りつつペースを守りながら仕事がしやすい環境となっております。

酪農家のおもな仕事

搾乳
朝と夕方など、1日に2回以上行うのが一般的。ミルカーなどの搾乳機械を用いて牛乳を搾ります。搾乳方法はロボット搾乳やパーラー形式など様々な種類があります。毎日搾乳をしないと牛が乳房炎になってしまうため、1日たりとも中断することはできません。
掃除
おいしい牛乳を搾り出してもらうためには、牛たちがストレスがなく健康であることが第一条件です。ふん尿を片付け、機械類や水槽などの設備をきれいに保ち、牛舎を清潔にすることで、牛が病気になることを防ぎ、より効果的な牧場運営をすることができます。
給餌
自動給餌機を使っている農家もあれば、人力で給餌するところもあります。牧草主体の餌「粗飼料」や穀物主体の「濃厚飼料」を与えていきます。牛は数10kgもの餌を食べます。牛の状態を見ながら種類を変えるなどの工夫も必要です。良質な牛乳を作るために、給餌はとても重要です。
子牛の哺乳・世話
搾乳牛は1年の間隔で子牛を出産します。出産後、産まれて6時間以内に母牛の初乳を与えます。哺乳瓶などを使って子牛に乳を飲ませてあげるのが酪農家の仕事です。仔牛は親牛に比べ体が弱いため、気を配りながら育てていく必要があります。
牧草の栽培・収穫
牛の餌になる牧草を育てて刈り取ります。春から秋にかけて牧草を育成し、育ったらハーベスターやロールベーラーで収穫します。刈り取られた牧草は発酵させ「サイレージ」として牛たちの餌となります。良い餌を作ることで乳質にも良い影響が出るため、とても大切な作業であるといえます。
牧場の整備
搾乳機械やタンク、柵などの設備が壊れていないかのチェックやメンテナンス、修繕なども仕事に含まれます。広大な牧場と牛舎の維持管理を行うことは大変ですが、しっかりメンテナンスすることで維持管理費用を抑えたり、安全な農場経営につながります。